下顎骨折が判明した仮名がく。
今後の治療相談をして入院を決めた後、担当のN獣医師に質問しました。
「ここ、なんで皮毛の色が変わってるんでしょうね?」って。
そう言い乍らその部分をじいっと見つめると、なんか違和感が。
「」
焦点を合わせて凝視すると、ようやく正体が分かりました。
う じ む し …
それは大量の蛆だったんです。
じっと見てると皮毛の下から沸き上がってくるような…
それはもう大量の蛆。
多分小蝿の蛆でしょう、がくの皮毛の下からうにょうにょ現れました。
正直悲鳴あげなかったのが不思議(笑)
他の部分はどうなんだろうと身体をひっくり返すと、お尻からまたうじゃうじゃと
それを見た時「これ、直腸から内蔵にまで損傷及んでるんじゃ…」と。
となると、もしかすると間に合わないかもしれない、そう感じたんです。
N獣医師は顔は引きつってますが冷静さを保ちつつ、何度もがくの身体に大きなスポイドでお湯をかけて蛆を洗い流してくれます。
いつも親切に対応してくれる獣看護士さんと一緒に、毛を剃り、あちこちに潜む蛆を退治してくれます。
これが蛆ではなくノミだったら、レボリューションやフロントラインが効きますが、蛆には駆虫薬が無いんだそうです。
次亜塩に付けても蛆は死なないそうです。
だから洗い流すとか、摘み取るとかしないと退治出来ないから、本当に厄介です。
(N獣医師、実は虫が苦手で、この晩悪夢に二度もうなされたとか)
でも蛆は全身にうじゃうじゃ。
あまりのスゴさに、新人の先生が見に来るくらいです
そのうちがくの様子が変わりました。
お湯をかけているとはいえ、身体が濡れたことで次には身体が冷えて疲れて来たのでしょう。
とりあえず、処置はそこ迄にして後は入院して続きをお願いすることになりました。
でももしかすると…
こんな状態では助からないのでは、そんな心配があったのも事実です。
帰りの車の中で、やちゅさんと色々相談しました。
自力で食べてくれるなら、
自力で排泄できるなら、
身体に不自由が残っても、身体の一部が変形しても、猫の幼稚園で守っていく事ができるよね、って。
処置している間、がくは本当に安心した様に身体を預けてくれていました。
この子、人に慣れてる。
人を信じてる。
後は、この子の生命力の問題なんだと祈る気持ちで朝を待ちました。
翌朝まで病院からの連絡はありませんでした。
ということは、少なくとも危篤状態には陥ってない。
ドキドキし乍ら病院に電話。
担当のN獣医師は診察中でしたが、電話にでてくれた獣看護士さんががくの状態を詳しく教えてくれました。
がくは、あの状態で夜中から朝にかけて、自力でご飯を食べたんです
希望が見えました。
自力で食べるなら、きっと体力も回復して、手術に耐える身体になる。
きっと蛆にも勝つことが出来る、そう思えました。
病院のスタッフ皆さんが、がくの身体を思いやって、時間を作っては蛆を退治して下さいました。
「この蛆虫が憎らしいよな」って言い乍らピンセットで一体づつ摘んで退治して下さったそうです。
本当に有り難いです。
そうして、会いにいく度がくは綺麗になっていきました。
院長も数日して「蛆には勝てたな」って。
副院長は「あの子、ほんとに強い」って
体重はまだ増えません。
保護した時は900g。
身体の大きさからしたら倍以上無くてはいけないのに。
入院して数日でわずかに100g増えただけでした。
それでも、がくは生きてる。
毎日身体を綺麗にしてもらって、沢山甘えさせてもらって。
傷を舐めると悪化するので、特性のカラーを付けて貰っていたがく。
そのカラーには、N獣医師が、優しいコメントを書き加えて下さってました。
「ささみが好きです
腰を撫でられるのも好きです〜」って
本当にベルさんに走って良かった。
諦めずに治療お願いして良かった。
その3に続きます…