火曜日が水曜日になって暫くした頃、一匹のさび猫さんが入園しました。
でも今そのケージは空っぽです。
新入生ぶらは、水曜朝から入院中なんです。
1月31日の夜、愛犬の散歩中に出向いた公園で箱を見つけた保護主さんが、恐る恐るその箱を開けてみると、生後半年位の猫さんがぐったり…
箱には「ブラ」と書かれていて、首にはぶかぶかの首輪をしており、首輪にも「ブラ」と書かれた名札が付いていました。
寒い中放っておけば命を失うだろうと急遽保護。
ご家族と相談してお姉さんに連絡。お姉さんは以前猫の幼稚園から猫さんを迎えて下さったご家族で、猫の幼稚園に連絡が廻ってきました。
私の都合で真夜中の入園となったのですが、隔離室のケージに入れようとだっこしてみてびっくりしました。
その体長には不似合いな体重の軽さ。
とんでもなくガリガリの身体でした。
外傷もないし、目やにもないし、風邪はひいてない。
だけど、ぐったりして元気はない。
口の中はとても綺麗だし、歯も永久歯だけど汚れもない。
首輪もしてて人慣れしてるし、飼い猫出身なのは間違いない。
でも、どうやったらそんなに痩せられるの?って程にやせ細っています。
一体なにがあったんだろう
夕方のお散歩の時には、まだ箱はなかったそうで、となると捨てられてからの時間はそんなに経っていないはず。
でも、飼い猫さんがこんなにやせ細るの?
どんな理由があって、こんなにやせ細ってしんどそうな猫さんを、こんな寒空に遺棄できるんでしょうね?
ケージに落ち着くとほっとしたのか失禁。その尿が無色で無臭。
もしかすると腎不全起こしているのかなあと思っていたのですが、それと同時に気になったのが呼吸の荒さでした。
翌日病院にいって血液検査。
幸いエイズ・猫白血病は陰性でした。
心配していた腎不全は起こしておらず数値も悪くはありませんが、肝臓の方が芳しくありません。
呼吸の荒いのが気になって、レントゲン撮影。
見事に、肝臓・腸など腹腔にあるべき内蔵器官が、胸腔に入り込んでいます。
かなり広範囲な横隔膜ヘルニア。
肝臓の数値が悪いのはこれが原因のようです。
新入生はそのまま即入院となりました。
木曜日、仕事後に面会に行き、副院長初めN獣医師と治療法を相談してきました。
今日は日中バリウムを飲んでエコーも掛けて、もう一度レントゲンで確認してくれています。
正直、今まで出会った横隔膜ヘルニアの中ではかなりの重症です。
このまま放っておけば早いうちに命を落とすことになるでしょう。
早急に手術が必要で、日曜日には実施して貰うことになりました。
ただ、一点心配なのは、この横隔膜ヘルニアがいつからのものなのかってこと。
もしも結構時間の経っているものならば、各器官は癒着を起こしている可能性が高く、そうなると破れた横隔膜を繕っても元に戻すことができるかどうか…
以前手術して貰ったもふは800g程の子猫だったけど、怪我から手術まではせいぜい二週間程のようで、小さな身体で無事手術に耐えてくれました。
今回の新入生ぶらも、なんとか危機を脱してくれますように。
どうか皆さん、ぶらの手術成功を祈ってやって下さいね。