2014年11月06日

訳あり大人猫に思う

実は水曜日、斎場に二匹の園児を送っていきました。
闘病中だった白猫みゅーると、トライアル終了間際に急死したすかい改めアプト君。

二匹を連れてドライブし乍ら思ったのは、看取る事が出来る幸せについて。

というのも、10月30日に入園した、訳あり大人猫の境遇がとても考えさせられるものだからです。

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この新入生は飼い主の遺体と一週間、一人と一匹で暮らしていました。
どれ程心細く不安な一週間だった事でしょう。

飼い主さんはまだ40代の女性だったそうです。
お仕事してなかったのかな、とにかく外の世界との関わりがなかった為に、死後一週間してやっと、異臭がするという連絡があり、管理会社がその死に気づく事になりました。

この猫さんは、亡くなった飼い主さんのお父さんが一旦は引き取ったのですが、飼えない、保健所にというお決まりのパターンで、その行く末を案じた管理会社にお勤めのRさんが猫の幼稚園へ連絡。
(Rさんのうちには猫の幼稚園卒園生がいます。)


猫の幼稚園が二つ返事で引き受けた訳ではありませんが、Rさんと所属する会社の、誠意ある動きに引き受ける気になったと言うのが本音でしょうか。


ところが、入園予定のその日、事件は起こりました。
お父さんは酷い臭いなので綺麗にしてやろうと思ってくれたのか、お風呂に入れたらしく、でも猫に馴れていない高齢者さん故乾かすということに思い至らなかったのか…


結果、その猫さんはずぶぬれの侭、数時間放置される結果になってしまいました。


Rさんがその猫さんを猫の幼稚園に連れて行こうと車に乗り込み、入っている箱を開けると、そこにはずぶぬれで虫の息の大人猫。

猫の幼稚園に走る前に病院に向かったのは言うまでもなく、そのまま入院となりました。

低体温と脱水、多分以前からの酷い下痢とその所為でしょう、お尻の周りがただれてしまい、一部の皮膚が壊死して蛆が湧いていたそうです。



入院5日後の30日夜、Rさんと一緒に病院に向かいました。
命の危険は脱したものの、まだ低体温になりやすいことと、下痢と壊死は相変わらずで、食事も完全自食ではないけれど、退院は可能とのことで、そのまま入園となりました。

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シニアの雄猫で、未去勢です。
猫の幼稚園での呼び名は、今のところ、おやっさん(笑)
文句言いなところが、建築現場で差配してくれるおやっさんに似てるから〜(笑)


おやっさん、体重は2.3kgしかありません。
お尻周りが痛くてしかたないらしく、ずっと不機嫌に唸っています。

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退院後の一週間を、猫の幼稚園で過ごした結果。


下痢はお薬以外にビオフェルミンを与えたら、随分ましになりました。
トイレでもちゃんと用を足せます。
でもそれ以外にちょろちょろ漏れちゃうのは、もしかすると年齢の所為でお尻が緩くなってるのかも…

低体温もヒーター完備の隔離室ケージでぬくぬくで過ごし、しっかり改善。


皮膚の症状には毎日患部をきれいにするのが一番。
以前ぱふの謎の皮膚疾患の際にも、毎日お湯で洗ったのが功を奏した経験があるので、今回もシャワーで毎日患部を消毒しています。

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その甲斐あって、皮膚の壊死した部分が随分綺麗になってきました。
瘡蓋状の部分が取れて再生して来た皮膚が見えてます。

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まだ痛々しいけど、確実に良くなってるのが嬉しいです。

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食事もきちんと食べています。
体重は少し増えて、2.4kgになりました。

年齢のはっきりしないシニア猫さんだけど、歯は結構いい状態で、カリカリをいい音させ乍らかりぽりかりぽり。

お薬もチュールに混ぜておくとなんとか完食。
完食しなければ、口に入れてやると文句良い乍らも完食(笑)

お世話し始めた頃は、とにかく不機嫌だったのが、日を追うごとに痛みが薄らいでいる所為か、甘えたさんなところが見えて来ています。

飼い主さんは可愛がっていたんだろうなって、そう思える仕草をするんです。


この子を残して身罷った飼い主さんは、どんな思いでいたのでしょうね。
まさか、自分がこんなに早く亡くなるなんて思ってもいなかったのかな。

でもどうやら以前から体の不調は抱えていたそうなんです。
だったら、もう少し準備することも出来たはず、と思ってしまいます。

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今回のケース、この新入生の名前も年齢も嗜好も既往症も、何もかもが不明です。
まるで外猫と同じ状態。
歴とした家猫なのにね。



猫の幼稚園では常々独り暮らしの方にも譲渡していますし、今後もそれを変えるつもりはありませんが、私を含め独り暮らしで小さな命と同居するには、それなりに準備が必要なのだと改めて思います。


何よりも、愛おしい小さな存在に看取られるのではなく、看取る事が出来る幸せを願わずにはいられません。
その幸せが叶わなかった飼い主さんに、せめて安心して貰える様に、おやっさんの体調が戻るよう尽力します。

願わくば、身罷った飼い主さんの御霊が安らかでありますように、
合掌。

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posted by いよだとばん&むう at 23:59| Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする