保護された猫、特に子猫に真菌はつきもの。
耳の先にぽちっとハゲが出来たりするのは日常茶飯事だったりしますよね。
確かに重篤になると、全身ハゲハゲで大変な事になるし、場合によっては同居猫や時には人にも移るし大変。
でも、だからといって子猫の真菌治療にいきなり飲み薬を使うのは避けて下さいね。
この抗真菌薬は肝臓に負担がかかります。
大人猫でも服用した後は肝臓数値が跳ね上がるので、服用後血液検査をして状態を観察しなくてはいけません。
だから、殆どの獣医師さんは子猫に抗真菌薬をいきなり処方する事はないはずなんですが、今回知人の猫ボラさんから、抗真菌薬の副作用と思われる症状がでて、かなり体調崩している子猫がいると連絡がありました。
里親さんからの体調不良の連絡の後、転院するべく返して貰い、他の病院に掛かって快方に向かっているそうですが、そのままにしていれば手遅れになっていた可能性があるとのこと。
(違う意味で怖いのは、この病院では抗真菌薬を処方するのに、培養検査も行わなかったということなんですが、この問題はまた別の話としてちょっと置いておきましょう。)
確かに、外用薬を用いてもなかなか治らなかったり、全身性の酷い症状の場合は、抗真菌薬を服用させることもありますが、私の知っている獣医師さん達は、抗真菌薬をかなり慎重に服用させます。
そして子猫には殆ど用いません。
この薬の副作用で肝臓を痛めた場合、血液検査でGPTだけが跳ね上がります。
これは肝臓の細胞だけが壊死して壊れてしまうからなんだそうです。
経過観察すれば、GPTは下がっていきますが、でも壊死した細胞がどこまで復活出来るか?疑問も残るし、子猫にそのリスクは出来るだけ負わせたくありませんよね。
同じく大人猫であっても、保護さてて来る子は衰弱している子も多いから、そんな弱った体にこんなキツい薬は服用させたくありません。
では真菌に対抗するにはどうするか?
確かに真菌は移る事もあります。
だから住環境を清潔に保つ事を第一にしましょう。
猫の幼稚園では空間除菌の為にアクアリブを超音波で噴霧しています。
猫の体にできてしまった真菌対策では、まずはアクアリブで患部を清浄にします。
軽いものなら一日一回、3日から一週間も続ければ、治ってしまいます。
以前の園児のふぁーびーの様に全身に広がっている場合は、毛狩りをして薬用シャンプー、その後アクアリブ沐浴。
これ以外にもお勧めなのが、ノミ薬のプログラムです。
保護猫に関わる獣医さんならご存知の方も多いのですが、一部ではまだ知られていない様です。
通販でも手軽に手に入る、プログラム液を通常の倍規定で飲ませると、真菌の広がりを抑える効力があるそうです。
真菌 プログラム で検索して貰えれば、色んな方がこの効果を記事にされています。
副作用もないし、手軽だし、子猫の多くなるシーズンにはいつも常備しています。
こういった代替治療に抵抗があるようなら、外用薬も多くでていますのでそちらをお勧めします。
一般的なのはケトコナゾールクリームですね。
比較的新しいのはラノコナゾールかな。
どちらにしても、猫の幼稚園では子猫、出来れば大人猫にも抗真菌薬は服用させずに治してあげたいと考えています。
皆さんも薬の副作用にはご注意下さいね。
posted by いよだとばん&むう at 23:59|
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