2022年10月26日

パルボ対応2022を振り返ってみる

今日はパルボ対応2022を振り返って検証してみます。

今回の経緯
・9/6 茶虎♀ とある行政収容施設に収容される。臍ヘルニアあり
 収容時、風邪をひいており、その後症状が改善した
 9/21時点でくしゃみ等がみられたので、引き出し依頼前にアモキクリアを投与、症状改善

・9/22黒三兄妹 とある行政収容施設に収容される。

・9/28黒♀一匹 行政より譲渡

・9/28夕方、茶虎♀、黒♂黒♀ 猫の幼稚園へ入園
 茶虎♀仮名:しん 黒♂仮名:ふぅ 黒♀仮名:かえ と命名
 隔離室に二つのケージでしん・ふぅかえに分けて隔離

・9/29、三匹のパルボ遺伝子検査検体採取→病院経由で検査期間に提出

・9/30 18:00過ぎ、しんのみパルボ陽性結果→顕著な症状は全くなし
 直ちに対外的な活動自粛、関係者へ連絡、隔離室三匹と子猫室のワクチン一回接種から一週間以内三匹にタミフル投与開始

・10/1主治医の往診により、隔離室三匹の採血と血液検査、インターキャット接種x3回
 しん白血球数値:4900 ヘマトクリット数値:49 白血球低めの結果
 黒兄妹は問題なし
 ワクチン一回済子猫6匹にインターキャット接種x3回

・症状は全くみられない

・10/5 2回目遺伝子検査検体採取→病院経由で検査期間に提出

・10/6 10/1採血時の抗体価が出る 三匹共10倍未満→ウイルス暴露されていない数値
 →しんの陽性は間違い?それとも抗体が全く造られていない特異なケースなのか?ただ単に抗体価が上がる前なのか?
 →2回目遺伝子検査の結果を見て判断することに決める

・10/11 18:00過ぎ しんのみパルボ陽性結果

・10/12 3回目遺伝子検査検体採取→病院経由で検査期間に提出
 午後主治医の往診により隔離室三匹の採血と血液検査
 →白血球数値 しん:19000 ふぅ:13600 かえ:12100
 しんは回復期の白血球数値上昇値と考えられる ふぅとかえは正常値内

・10/13 18:00過ぎ 三匹共陰性を確認
 浴槽にアンテックビルコンのプールを作り、そこへケージなどを浸け置き消毒
 隔離室他の消毒
 三匹をバイオトロールでシャンプー、
 仕上げにバイオウィルで沐浴
 10/15より通常活動開始

・10/15 10/12採血時の抗体価速報で、しんの抗体価320倍はありそうとのこと
 検査機関の見解として、「恐らく、弱い感染で抗体ができるのが遅かったのだろう。」
 主治医の見解と合わせての推論として、「入園二日前位に、非常に弱いウイルス株に感染したものと思われる。」

 この非常に弱いウイルス株というのが厄介ですが、主治医と私の見解として、
 例えば消毒された場所等にもたまたま残っていた、不活化せず生き残った弱いウイルスやウイルスのかけらと呼ばれるようなものが
 感染源なのではないか、と考えます。
 


さて、今回注目したいのは、以下の二点です。

 1.弱いウイルス暴露だったので、
 しんちゃんは見た目は不顕性感染で済んだ

 (白血球が下がっているので、厳密には不顕性感染ではない)
 2.他の猫と一緒にする前に、
 遺伝子検査で陽性を確認出来た


1.の時、気付かず他の猫と一緒にしていたら、不顕性感染でもウイルスは排出している訳ですから、他の猫に感染を広げる可能性がありました。
パルボの集団発生の現場で、最初に発症した猫は一命を取り留めたのに、後で感染した猫達が助からないケースがあるのは、最初の猫は弱いウイルスに感染したか、自己免疫が強かったかで助かり、その猫の体内で爆発的に増殖して威力を増したウイルスが、次々に他の猫に感染するからなんじゃないのかと思っています。

不顕性感染の際のウイルスは、他へ感染させないという意見もあるようですが、ここ最近の人のコロナウイルス感染を見ていても、症状が出ない
不顕性感染の人が他へ感染させるケースが多々あるそうなので、私はパルボも感染して当たり前と考えています。

そして重要なのは2.の遺伝子検査で陽性を確認できたこと。

一般的に、保護した猫の隔離期間は二週間と言われています。
しんちゃんは行政に収容されてから、うちに入園したのは三週間後。
普通だったら即他の猫達と一緒にしていてもおかしくない状態です。風邪症状もなく、下痢や嘔吐、食欲不振もなく、臍ヘルニアはあっても見た目とても健康な子猫でした。
それでもパルボ陽性だったんです。

心底思いました、遺伝子検査して良かった!と。

今年は例年よりもパルボの発症率が高いのだと、検査機関の職員さんが主治医にデータ表を見せて教えてくれたそうです。
そのデータが関西だけのものなのか、全国規模のものなのかは不明ですが、今もあちこちでパルボ発症の声を聞きます。

私はもっとこの遺伝子検査が広まればいいのにと願います。

隔離期間中に陽性が分かれば、蔓延を防ぐことができるはず。
蔓延させなければ、感染した猫さんの数が少ない訳で、それだけ感染した猫の治療とお世話に集中できて、助けられる可能性が高くなります。
猫保護同志の皆さんに、ぜひ取り入れて欲しいのが、検疫隔離を終える目安とする為のパルボ遺伝子検査なんです。

以上が今回のパルボ対応の振り返り。
私の主観が強いですが、今この記事を読んで下さっている皆さんの参考になれば幸いです。
パルボ蔓延で地獄をみる同志が少しでも減りますようにと願っています。
posted by いよだとばん&むう at 11:30| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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